福井大学工学部附属
超低温物性実験施設
 
 

以下のようなメールを液体ヘリウムユーザー宛に送りました。


Date: 2010/12/22

Subject: (重要)液体ヘリウムユーザーの皆様へのお知らせとお願い


液体ヘリウムユーザー各位


皆様には平素より寒剤供給にご協力いただきましてどうもありがとうございます。

皆様には大変申し訳ありませんが、来年1月は液体ヘリウム供給を停止せざる

をえない状況になりました。

以下、ご報告も含めてお知らせとお願いがあります。

長文となりましたがご容赦下さい。


報告

(1) 液体ヘリウム供給におけるガスの損失について

 超低温物性実験施設(以下、超低温)の改修工事が終了し、6月よりユーザー

の皆様への液体ヘリウム供給を再開しましたが、半年を経過してガスの回収

状況を検討しましたところ、ヘリウムガスのロスが大幅に増加していること

が分かりました。その原因として主に2つの要因があることがわかりました。

a) ユーザーの回収率の悪化:ここでは回収率を、ユーザーでの使用量に対し

て、超低温に返されたガスのガスメータ増分と定義します。

ここ数年は90%前後で推移(ただし、0.777 m3/Lで換算。実際にはガスの温度

によって体積は変化します。)していますが、今年は80%代前半にまで落ち込ん

でいます。特に回収率が悪化していると思われるユーザーには別途連絡します。

b) 超低温内部でのロス増大:回収ガス用コンプレッサーにガス漏れがあるこ

とがわかりました。空気中にはリークディテクタでなければわからない程度の

漏れですが、冷却水とともにガスが逃げている可能性もあります。


(2) 液体ヘリウム供給停止のお知らせ

 上記(1-b)について調査を行うために、来年1月はユーザーへの液体ヘリウム

の供給を停止する必要があります。故障などが起きるとこのような事態が生じ

ることは以前よりご承知のこととは存じますが、卒業・修了の直前の時期にこの

ようなことになり大変申し訳ありません。これ以上損失を増やさないために必要

な措置ですので、何卒ご容赦下さい。復旧できましたらすぐに供給を開始するつ

もりではありますが、停止が必要な期間については年明けの調査結果しだいであ

り、今は不明です。

状況が分かりましたらまた皆様にお知らせいたします。見通しについてご質問な

どがございましたら、藤井または超低温へお問い合わせ下さい。


(3) 供給停止期間に液体ヘリウムをご使用になりたい場合

 液体ヘリウムを業者から購入することが可能です。手続きや利用方法は、改修

工事期間中(今年5月まで)と同様で、超低温を通じて業者に発注する形です。

しかし、今回は購入補填ができず、単価は業者購入価格のままとせざるを得ませ

ん。1 Lあたり****円+税です(税込み----円/L)。この場合もガスは通常通り

回収するようにしてください。

【重要】年明けすぐに液体が必要な場合は至急ご相談下さい。


お願い

(4) ユーザー実験室におけるガスメータの記録と報告の依頼

上記(1)の対策として、大学内部にあるヘリウム量を定期的に観測できる態勢を

整える必要があります。つきましては、毎月初めに、各グループの使用状況を

調査することにしたく存じます。お手数をおかけいたしますが何卒ご協力の程

よろしくお願い申し上げます。

・調査日と時刻:毎月の平日の初日(できれば朝)に測定して下さい。超低温

では毎朝メータ値などを記録しておりますので、時刻を合わせておくと精度が

上がります。

・実験室もしくはガスバッグから送り出したガスメータの値

・ユーザー側で保有する液体の量(概算で結構です、当日使用中のヘリウム容器

がありましたら、その残量も別記して下さい)

以上3項目のデータを藤井および古屋までご報告下さい。

1月はそれぞれ年始のご予定があると思いますので、1月6日のデータで結構です。


お知らせ

(5) 価格改定の可能性について

寒剤供給セクション運営委員会が年明けに開かれる予定ですが、その際に寒剤

供給単価の改定が提案される予定です。それが認められた場合、液体ヘリウム

供給の再開後は新価格での供給となります。事前に情報が必要な方は、寒剤供給

セクション長の小川先生または藤井までお尋ね下さい。年度末の決算時期に

このような価格改定をせざるを得ませんことを大変恐縮に存じますが、何卒

ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。


藤井裕

 

ヘリウムの供給一時停止とユーザーへのお願い

2010/12/24

 
 

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