科研費による成果

基盤C(2022年度~)
本研究は、逆ラシュバ・エーデルシュタイン効果(IREE)を利用した、貴金属を用いないスピントロニクス・テラヘルツエミッターの開発を目的としている。強磁性金属FM上の2次元系におけるスピン輸送特性を理論的手法により解析するとともに、試料の試作を目指した。第一原理計算により、従来系などと比較して、より高いラシュバ係数およびスピン−電荷変換効率を有する構造が得られた。また、その構造の実現に向けて、必要となるの試作および評価も実施した。

基若手B(2016年度~)
スピン偏極炭素の反応性:
グラフェンは、酸素を含む多くの反応物質に不活性である。しかしながら、大量に存在し、生産しやすく、高伝導性であることから、様々な方法で反応性を向上させる研究が行われてきた。従来法では、ドーピング等による幾何学的効果が反応性の向上に利用されてきた。本研究では、より優れた酸素反応を得るため、磁性基板を用いたグラフェンの電子構造の変化に着目し、すでに、対酸素反応において磁性グラフェンがドープされたグラフェンとは異なった注目すべき変化を示す場合があることを見出している。本研究には、酸素の相互作用の電子機構に関してDFTを用いており、本現象のメカニズムを解明することにより、さらに新しい反応性グラフェン構造の作成に利用できると考えている。

グラフェンにおける新しいLDOS at EFのメカニズム